[[イルカの主]]

*悪名公(悪名王)レンドル(1157-1161)

イングランドの地から独立公ゴーシュの長男であるレンドルが戻ってきた。
彼はワルウィック公の地位にあったが、ドルフィン公として戻ってきたのである。
だがこのことは、ドルフィン公がイングランド王の臣下となったことでもあった。

彼はまず、父ゴーシュから受け継いだ直轄領の確認をした。
彼自身の直轄領はベサンコンとワルウィックのみであり、受け継いだのはドルフィン、ベナイシン、リヨンのドルフィン公領と、
ニース、サルレスのプロヴァンス公領の東部の2つであった。

彼は根っからの武人として育てられたため、統治者としての器は欠けていた。
レンドル自身もそのことは知っていたため、彼の最初の仕事は直轄領の分配だった。

まず、自分の直轄領をベサンコンとドルフィン公領域の4つのみとした。
ワルウィック伯にはワルウィック公時代の臣下を置き、ニースとサルレスの2つはプロヴァンス伯アンドレに譲った。

#ref(レンドルの統治.GIF)
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レンドルは自分の生きているうちにブルゴーニュ王の地位を取り、イングランドから独立することを自分の目標としていた。
その為には、神聖ローマ帝国と剣を交える必要があることは彼自身が望んでいたことである。

その機会は1160年に訪れた。
レンドルが神聖ローマ帝国からブルゴーニュ王とサヴォイ公のタイトルを求め宣戦布告をした。
この戦争は西欧の大きな勢力全てを巻き込むものとなった。

まず、ドルフィン公の動きに乗ったイングランド王が神聖ローマ帝国に宣戦布告。
その次にその同盟国であったフランス王、スウェーデン王も神聖ローマ帝国に宣戦布告したのである。

神聖ローマ帝国も自分の領内の有力諸侯であるロンバルディア公、バイエルン公、シュワビア公、ザクセン公が動いた。

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これを機に、神聖ローマ帝国内のブルゴーニュ地方の弱小諸侯に対しても戦争を仕掛けた。
サヴォイ伯、ニューシャタル伯、ヴァライス伯、ジュネーブ伯、アールガウ伯の5つの伯爵と同時に戦い、
彼らの領土を全て併合することに成功する。この時点でバイエルン公とロンバルディア公が脱落し、
残るはザクセン公、シュワビア公、そして神聖ローマ皇帝だけとなっていた。

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レンドルはシュワビア公と戦うも両者とも一歩も引くことは無かった。
これでは埒が明かないと判断したレンドルは、プロヴァンス伯アンドレや弟のマウグスとともに、
神聖ローマ皇帝の直轄領であるウーテンベルクを攻撃した。
これが神聖ローマ皇帝軍の背後をつく形となって一気にドルフィン公側に戦況が傾いた。

神聖ローマ皇帝は講和の席でブルゴーニュ王とサヴォイ公の2つの位を一気に失った。
この南ドイツを中心とした戦争をブルゴーニュ戦争という。

一方、北ドイツではザクセン公の奮闘によりこう着状態となっていたそのとき、
ブルゴーニュ側での戦争が終結したとの情報で、フランス王とスウェーデン王は
神聖ローマ帝国やドイツ諸侯と講和し早々に兵を北ドイツから引き上げた。

イングランド王も北ドイツで孤立した形となってしまい、神聖ローマ帝国やドイツ諸侯と講和する。

この両者痛み分けとなった北ドイツでの戦争は第4次北ドイツ戦争といわれた。
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1161年、レンドルは病の床に倒れる。しかしそんな中、急ピッチで簡素な即位式を挙げ、
初代ドルフィン公レオンからの悲願であったブルゴーニュ王に即位を果たす。
しかし、この簡素な即位式は国の威信を傷つけレンドルの悪名が高まっただけであった。

王位に即位して最初に行ったことは、勲功を讃えた領土と公位の分配であった。

一番の働きを見せた弟のマウグスにはサヴォイ公の地位を与え、
サヴォイ、ニューシャタル、ヴァライス、ジュネーブの4領を与えた。

次に、ウーテンベルグの戦いで重症をおったプロヴァンス伯アンドレには先代との約束であった
プロヴァンス公の地位を与えた。

その次に、ベルン伯フィリップ2世にアールガウを与えた。

一方、兵を貸そうとしなかったフォルツ伯からはフォルツを取り上げ、ワルウィック伯とした。
一方、兵を貸そうとしなかったフォーツ伯からはフォーツを取り上げ、ワルウィック伯とした。

更に、南フランスの神聖ローマ皇帝領がブルゴーニュ領となる。
レンドルはこれで自分の役目を終えたと確信した。

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その数ヵ月後、ブルゴーニュの王冠を頭にかぶせたままレンドルはこの世を去る。
しかし、人々からは王というにはふさわしくないとして悪名公と呼ばれる。

だが彼の戦術は後世にまで語り継がれ、将軍の模範となった。

レンドルには唯一の男子フィリップがおり、彼が王位を継ぐこととなった。

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#ref(ドルフィン家系図1161.GIF)
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