[[オークニー家のバラッド>プレイレポ/オークニー家のバラッド]] [[グトルムとその息子ビャルネのこと>プレイレポ/オークニー家のバラッド/グトルムとその息子ビャルネのこと]] *ハーコン=ビャルネソンのこと [#lcd93233] #ref(hakonbjarnesson.jpg,nolink) &br; >それでは歌おう オークニーのハーコン=ビャルネソンのこと >キリストの良き戦士 恵みあふれる統治者にして その裁きはいつも公正だった それで民も彼を愛した &br; #ref(skoftdeclarewar.jpg,nolink) &br; >ハーコン=ビャルネソンは大いに悲しんだ まっさきに弟スコフトがそむいたので ロスのヤール位に飽き足らず クロヴァン家の旗印を欲しがった &br; #ref(halkjellsteals.jpg,nolink) &br; >スコフトの追放に続き 家令の醜聞が世をさわがせた 二人続いて金貨を持ち逃げ これでは主の人格も疑われるというもの &br; #ref(isles1153.jpg,nolink) &br; >さらにオークニー家に暗雲が漂う あの盗っ人アスラク=ポールソンは王に逆らい 大ヤール位とオークニーの島々を取り上げられた おお、なんという恥さらし! >ハーコン=ビャルネソンは年代記を書かせた 正統なるオークニーの権利を主張するために だがすでに金庫はからっぽ 修道士たちへの支払いは山羊で済ませた &br; #ref(euphemia_ofmar.jpg,nolink) &br; >ハーコン=ビャルネソンは妃を迎えた 猛き乙女、マルのエウフェミア ゲール王ダンカンの宮廷で出会い そして一目惚れ >時まさに主の生誕より1153年 ゲール人の王は破門され ノルマン人の王国は乱れ ノルドの諸王は互いに牙を剥きあった &br; #ref(nord1153.jpg,nolink) &br; >婚礼の次の週だった 王トルケルが大ヤールたちを召集したのは ハーコン=ビャルネソンはノルド海を渡った スヴェリグの王グスタフと戦うため >つるぎの嵐が吹き荒れた カラスたちは肥え太った ハーコン=ビャルネソンは必殺の戦棍をふるい あまたのスヴェリグ戦士を地に倒した &br; #ref(kolbein_crovan.jpg,nolink) #ref(finnvedeninherit.jpg,nolink) &br; >軍勢がフィンヴェーデンを通ったとき 土地の豪族はハーコン=ビャルネソンを主と呼んだ クロヴァン家最後の男子 コルベイン=トロンドソンの遺贈だった &br; #ref(friend.jpg,nolink) >無限につづく深い森 守りは堅し、スヴェリグの大地 ハーコン=ビャルネソンは戦役にあって 友人こそが頼りになると知った >だがスヴェリグ王グスタフは東夷を動員した 続々と西進してくる狂戦士どもの大軍 ついに王トルケルは教会に助けを求め 主の平和がノルドにもたらされた &br; >ハーコン=ビャルネソンは西方諸島へ帰った 叔父のエイステインにフィンヴェーデンを任せて エウフェミアは男子を産んでいた スヴェンと名付けられた子はすくすく育った >だがいくさの長いあいだに 二人の仲は冷えきってしまった 留守を任せたデーン人武将マルテ=ニールソンが 妃の寵愛を得ていた &br; #ref(wifeandyoungbachelor.jpg,nolink) #ref(malthe_knytling.jpg,nolink) &br; >マルテと妃は駆け落ちをくわだてた 五回も、六回も そのたびハーコンは引き止めた 二人に赦しを与えさえしたのだ >そうして十数年が過ぎ 再びノルドにいくさの炎があがった 王トルケルと王グスタフが 今度こそ雌雄を決さんと向きあった &br; #ref(wifehashumiliatedme.jpg,nolink) &br; >おお、なんという恥さらし! ハーコン=ビャルネソンの再出征をいいことに ついに妃エウフェミアは公然と愛人とつるみ始めた 大ヤールの権威はおおいに失墜 &br; #ref(murchad_uaruairc.jpg,nolink) &br; >ハーコン=ビャルネソンは新たな知らせを受け取った スカゲラックに停泊するいくさ船で便りを読んだ なんと妃がゲール人家令ムルハドにも手を出したという 三股をかけられては男としてさすがにこたえる >ハーコン=ビャルネソンはオーガのごとく戦った 忘れたいことが多すぎて 王に忠実であることを誓いもした せめて自分だけは誠実でありたい &br; #ref(torgeir_oforkney.jpg,nolink) #ref(eirik_oforkney.jpg,nolink) &br; >いくさの最中 フェローのトルゲル=アスラクソンと シェトランドのエイリーク=エイリクソンが王に叛逆した ハーコン=ビャルネソンは彼らを攻め、追放した >オークニー家にあるまじき愚行に情けは無用 盗っ人アスラクの血筋の者は全ての領土を失った 兵を出した弟インゲと叔父エイステインは 報償としてそれぞれフェローとシェトランドを任された &br; #ref(isles1169.jpg,nolink) &br; >また故国からの便り 震える手でハーコン=ビャルネソンは封を切った かさむ軍費に民はもう耐えられぬ、と家令ムルハド 耐えられぬのは俺の方だと大ヤールはつぶやいた >しかし負債はあまりに大きい それに隣国のゲール王ダンカンが王トルケルの敵に回った 王軍は各地で敗走 スヴェリグ軍とゲール軍が王領を舞台に陣取り合戦 >王トルケルも覚悟を決めた 「オークニーよ、国へ帰って兵を養うがよい いくさが終わってまだ余が生きておれば その時あらためて会おう!」 &br; >泣く泣く西方諸島に戻ったハーコン=ビャルネソン 成長した四人の息子が待っていた それにひとつの難問も 「誰に大ヤール位を継がせるか?」 &br; #ref(svein.jpg,nolink) #ref(helge.jpg,nolink) #ref(bjarne.jpg,nolink) #ref(harald.jpg,nolink) &br; >大げさなスヴェン 謹厳実直なヘルゲ 細かい事は気にしないビャルネ 武勇のハラルド >ハーコン=ビャルネソンは悩みに悩んだ 昔からオークニー家は均分相続 自分はそれで苦労した 誰かひとりに所領を集めたい >長男スヴェン=ハーコンソンが選ばれた 彼は高貴なるユングリング家の娘をめとった 聖王オーラヴの曾孫グドリッド=エイステンスドッティル 若い二人は国中を喜びで満たした &br; #ref(gudrid_yngling.jpg,nolink) &br; >婚礼の席で四男ハラルドは父親に訴えた 「父上、わたくしには領土を治める力があります どうかロス領を任せてはいただけませんか?」 ハーコン=ビャルネソンは首をふった &br; #ref(yourenosonofmine.jpg,nolink) &br; >「前から感じていたのだが どうやらおまえはわたしの子ではない気がする あきらめよ、そしてここを去れ!」 ハラルドは嘆き悲しみ、そして宮廷を去った &br; #ref(euphemiadeath.jpg,nolink) &br; >スヴェリグ王グスタフが王トルケルを下し ノルドでの戦乱も終わりを告げたころ 妃エウフェミアが世を去った かぐわしい薔薇に包まれ葬られた >世の人々よ、留意せよ! 一目惚れして好きあった仲なれど ボタンの掛け違いで憎みあい 死ねばほっとするのはあまりに悲しい &br; #ref(torkjelldeath.jpg,nolink) &br; >王トルケルも天に召された それでハーコン=ビャルネソンは誓約から解放された 海のかなたノルドでの戦役は身に重く このたびはブリテンに目を転じることにした &br; #ref(wiliiam_decherlton.jpg,nolink) &br; >スコットランドではゲール人の王統がとだえ ノルマン人の少年王ウィリアムが推戴されていた 人々の信頼あつい未来の賢王 ハーコン=ビャルネソンは王ウィリアムに臣従した &br; >そのころ息子たちが会合を持った スヴェンにヘルゲにビャルネ 私生児オーダンがこれに加わった 父親には秘密のあぶない話 >「父上はオークニー伝統の均分相続を反古にされた」 「そろそろ退いていただいてはどうか?」 「もう待てぬ、待てぬぞ!」 「オーダン、おまえが手を下せ。かならず褒美は与えよう」 &br; #ref(audunassassin.jpg,nolink) &br; >ぎらり、きらめく鋼の刃 喉をひと突き ハーコン=ビャルネソンは横たわった ストラスクライドの戦陣で >風吹きすさぶアイオナの島 ハーコン=ビャルネソンは手厚く葬られた 息子たちは大いに悲しんだ そして顔を見合わせ、にんまり笑った >その裁きはいつも公正だった でも息子たちはそうは思わなかった 彼らは尊い父親の血を流した こんどは彼らがお互いに血を流す番 &br; #ref(hakondeath.jpg,nolink) &br; >西方諸島の大ヤール ハーコン=ビャルネソンの話はこれでおしまい &br; [[スヴェン=ハーコンソンのこと>プレイレポ/オークニー家のバラッド/スヴェン=ハーコンソンのこと]] [[オークニー家のバラッド>プレイレポ/オークニー家のバラッド]]