[[ブリタニアの再興]] 平野部を占拠したゲルマン人達は互いに相争い、やがて七つの国に分かれた。 すなわち、ウェセックス、サセックス、エセックス、ケント、イースト・アングリア、マーシア、ノーサンブリアである。 #ref(british_isles_802.jpg,nolink) 8世紀中頃、ヴァイキングがブリテン島に襲来し、ウェセックスを除いた七王国は滅ぼされた。 アルフレッド大王の働きによりヴァイキングの勢力範囲はデーンロウと呼ばれる一帯に押しとどめられた。 #ref(england_after_886.jpg,nolink) その後、ヴァイキングを束ねたクヌート大王はイングランドを征服し、史上空前の大帝国を築き上げる。 #ref(cnut_1014_1035.jpg,nolink) クヌートの王朝は後継争いも相まって短期間で断絶する。 ウェセックス王家の生き残り、エドワードが王位に付くが実権は弱く、 二人の大貴族、ゴッドウィンとレオフリクに対抗すべく彼は外国人であるノルマンディー出身者を重用した。 #ref(england_1065.jpg,nolink) そしてエドワードが後継者を残さず死ぬと、ゴッドウィンの息子ハロルドが即位したのである。 ---- 彼の即位に際し、数々の対抗勢力が現れた。 ((すいません、折角かっこいい地図なんだし、とか思って縮小あんましなかったらレイアウトがひどいことに‥‥‥しょうがないから一直線にしたら文章が物凄く貧相に見えるし色々\(^o^)/)) 先王から王位の継承を約束されたと称するノルマン人、 ブリテン島の再征服を目論むヴァイキング、 数年前のウェールズ制圧((1062-63、ハロルドがウェールズに遠征。グウィネズ公グリフィズ・アプ・ルウェリンの敗死により決着。))の報復を望むウェールズ人、 混乱に乗じてイングランドへの浸透を図るスコット人、 レオフリクの一族の勢力下にある非ウェセックス系のサクソン人。 そしてゴッドウィンとの対立関係から、息子のハロルドも当然敵視する教皇庁である。 即位当初のハロルドはこれらの対抗勢力に囲まれ、窮地に立たされていた。 彼が相手の不統一を上手く突くことがなければその後の歴史は違ったものになっただろう。 最初の一手はカンタベリー大司教スティガンドの解任による、教皇庁との劇的な和解であった。((本筋との関係が薄すぎるので細かい事情の説明は割愛。要するに叙任権問題の一種です。)) 長年の盟友を切り捨てる痛手は大きかったが、効能はそれ以上であった。 #ref(Stigand.png,nolink,70%) ((カンタベリー大司教スティガンド。ゴッドウィンにより叙任され、教皇庁と対立関係にあった。)) ギョームの工作により、ギョームが教会に認められた正当なるイングランド王位継承者、ということになっていたが、今やそれが覆ったのである。 これに伴い、対イングランド戦役中のノルマンディー公領への介入を禁ずる教皇の禁令((史実です。ちなみに史実でのブルターニュ公コナン2世は、これの影響によりノルマンディー攻めが不可能になり、代わりにアンジュー伯領を攻撃している最中に毒殺されるという微妙な最後を遂げています。))が解かれ、ブルターニュを初めとする近隣諸侯の策動が再び活発となった。 こうしてハロルド王は最大の敵、ノルマンディー公ギョームを直接の武力衝突無しに、反対勢力への資金援助のみで封殺することに成功する。 沿岸にいつ上陸されるか、という危機を脱して余裕が出来たハロルド王は国内の半独立勢力に目を向けた。 #ref(Edwin.png,nolink,50%) レオフリクの一族の嫡流、ランカスター公爵エドウィンは 北方人としての誇りが高く、ウェセックス出身のハロルドへの協力を拒み通す。 親の代から続く敵対関係を清算すべく、ハロルド王はエドウィンの妹、エアドギトを娶るなど 様々な融和作を講じたもののらちが開かず、ついに戦端が開かれることとなった。 この戦で功を挙げ、ランカスターの新領主に納まったのがハロルド王の息子、エドマンドである。 戦術家としての才を発揮し、一躍武名を挙げたことが後の王位継承に幸いした。 一方、ノーザンブリア公モルカールは、王弟トスティが失政を理由としてノーザンブリア公位を剥奪された際にノーザンブリアを与えられた恩から、 積極的にハロルド王に味方したため、領土を安堵されている。((いやまぁこの人もゲーム的には普通に敵対関係なんですけども、こっちは存続してるので脳内補完。)) #ref(morcar.png,nolink,50%) これらに加え、折良くノルウェー王ハーラルが 「突然の病を得て急死」したことで、ハロルドの治世は一応の安定を見る。 数年の統治の後にハロルド王は急死。 教皇庁との和解を成し遂げた王に対し、福者の称号が謚された。 #ref(Beato.png,nolink,80%) TIME:"2010-07-08 (木) 15:27:09"