北へ!北へ!北へ!
父が戦死して6歳で即位したレイヴァだったが、最初の仕事は父の後始末であった(最も実際は彼自身ではなく臣下の仕事だったが)。
彼の臣下は戸惑っていた、タヴァスト族に完勝できたと思っていた。
併合が可能とばかり思っていたが、実際はそうではなかったのだ。
結局、彼らはタヴァスト州の割譲でその後もタヴァスト族が存在することを我慢した。
1084年、カルマル家は割譲されたタヴァストを武力を用いて改宗した。
ところでレイヴァ・カルマルとはいったいどのような人物であったのだろうか?
これは今もって謎とされる。
なぜなら彼は1088年2月19日に毒殺されたからだ。
こうして、カルマル伯爵位は彼の弟、ハルクゼルに渡ったのである。
レイヴァが暗殺された理由としては、カルマル家の公式な歴史書には書かれていないが、前代ジグバードとの間の子ではなかったためではないかといわれている。
ジグバードとその妻は何故か結婚当初は関係が冷え切っていたが、その最中にレイヴァは生まれた。
妻には浮気の嫌疑がかけられており、密偵はその証拠をつかんでいたという。
しかし、一般的な夫婦関係とは逆に時間と共に夫婦の中は情熱的なものとなり、ついには二人目の男子ハルクゼルを儲けた。
彼は間違いなくジグバードの子である。
そのため、不貞の疑惑のある子レイヴァを除いて、ハルクゼルを伯爵にしようとする動きがカルマル伯爵領内で起こったのだろう。
奇妙な夫婦の犠牲となった哀れな子の最期であった。
北へ!北へ!北へ!