AAR/教皇は太陽、皇帝は月

トスカナ女公マチルダの死後、カノッサ城の遺産を相続したのはベルナルドという貴族だった。
しかしこのどこの馬の骨とも知れぬベルナルドの登場に、封臣たちは反発する。
マチルダの私生児をはじめ、トスカナの司教たち、そしてイストリアやサルデニアの貴族たちはこぞって彼に抵抗した。

トスカナは内乱におちいった。

神聖ローマ皇帝はこのあいだに北イタリアにおける勢力を回復し、
ミラノ公爵、ジェノヴァ共和国、そしてケルンテルン公爵などをギベリン側に取り込んだ。
トスカナ公やローマ教皇らゲルフ側は内訌や外患にくるしんでいた。

血塗れのオメロ

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トスカナ公オメロ

神)どうした、うかない顔をして?

天使)当主のポートレートを見たら、ある重大なことに気づいてしまったんですよ。

神)なんだね

天使)男子がいません。継承の危機です。

神)あれれ? 子供なら、さっきまでぽこぽこ生まれてたじゃないの。

天使)それがですね、全員女子なんですよ。
 CK1では女子には継承権はありませんし、女系結婚もできません。
 娘を近隣の諸侯に嫁がせて同盟関係をむすぶといったシステムもないです。

神)その代わりに、CK1では女子でも役職に就けられるがな。
 優秀な能力値をもった人物なら宰相にでも密偵頭にでも家令にでもなれる。
 それはさておき、問題は男子が一人もおらず、継承の危機が生じているということだな。

天使)そうです。

神)嫁さんの年齢は?

天使)二十代後半ですね。女子はたくさん産まれてますから、生殖値は悪くないとは思いますが。

神)それじゃあ、嫁さんにいなくなってもらうしかないな。

天使)うっ、やりますか。親族殺しがつきますよ?

神)バレなければどうということはない。ほれ、ポチッとな。

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天使)あらら、「Succeed but discover!」でした。

神)ぐおお、親族殺しがついてしまった。

天使)だから言ったのに...。

神)封臣のloyalityがだだ下がりになってしもうた。

天使)叛意持ちの封臣たちが増加し、またぞろ「内乱の危機」です。

神)さて、新妻は誰にしようかな?

天使)現実を見なさい。

神)うるさいやい。ビザンツの廷臣に逸材持ちの16歳がいたから娶ってきた。

天使)ギリシャ正教徒じゃないですか。ローマ教皇が怒りますよ。

神)子供はカトリックになるからいーの!

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花嫁を宮廷にのこし、花婿は戦場を往来する。

天使)あっ、配下の反乱を鎮圧中に、当主が重傷を負いました。

神)げ。

天使)当主の重傷が悪化して、illness(病気)をもらいました。

神)げげ。

天使)さらに病気が悪化して、盲目になってしまいました。

神)こいつ、呪われてるんじゃないの?

天使)因果応報とはまさにこのことですね。

神)しかしまだ三十路なのに健康値がだだ下がりなんだが、男子が生まれる前に死んだら、困るな。

天使)男子がはやく生まれることを祈りましょう。

イタリアの混沌

神)話は戻るがな、石女や高齢の嫁さんをassasinateするときは、
 いつも「これは教皇に頼んで嫁さんと離婚することを表現してるんだ」と思うことにしてる。

天使)いきなりなんですか。

神)ほら、別のイベントで「廷臣が引退を申し出ています」とか「廷臣が修道院に行きます」とかがあるけど、
 あれは許可すると「廷臣が死にました」という表現になってるだろ。
 だから、CK1の世界では、deadというのは、老衰や病死のほかに、引退や隠棲を表現していると言えるんだ。

天使)それはわかります。

神)だから嫁さんを暗殺するときは、教皇に頼んで離婚した。嫁さんは修道院に行った、と思うようにしてる。

天使)お、おう...。

神)というのもだな、史実において嫁が子供を産まないという理由で実際に暗殺された事例がどれだけあるのかということをだな...。

天使)あっ

神)えっ

天使)トスカナ公オメロが死にました。死因は病死。まだ四十前なのに。*1

神)男子は? 男子は生まれてるか?

天使)かろうじで生まれてます。3歳の男子がいました。名前はフォルコ。

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トスカナ公の遺児は、ある貴族によって養育されていた。

神)馬の骨、親族殺しときて、次は幼児か。
 イタリア王国への道は険しいのう。

(続く)


*1 重傷や盲目で、健康値にはげしいペナルティが課せられていたのが原因である。

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