1161年、悪名王とも悪名公ともよばれたブルゴーニュ王レンドルの死後、彼の長男フィリップが
ブルゴーニュ王に即位し、フィリップ1世を名乗った。フィリップはまだ10歳の少年であった。
この継承は何の問題も起こらずに速やかに行われた。この様な事は初代レオン以来初めてのことであった。
つまり、彼は生まれた時からこの一族の当主の座を約束されていたのである。
そして、彼には一族とブルゴーニュ王の名誉回復という責任のある仕事が待っていた。
彼はこの歳にして卓越した統治能力を誇り、継承した直轄領にある小さな穴すら見逃さないほど細かい統治を布いた。
だが、ブルゴーニュ地域以外の土地にまったく興味は無かったため、ワルウィック地域やバスク地域に配置された家臣団は
この少年王に対して反感を持っていた。