フィリップ・カペーの時代

 
 フランス王国は、かつてのカール大帝が築いた西ローマ帝国の残滓、西フランク王国から生まれたものである。カトリング家断絶の際にただのパリ泊という小さな領土の領主のカペー王家に王冠が転がり込んだのは、その力の弱さが原因である。王国全土の諸侯による選挙により最も王にして自分たちの領土に最も影響が無いものを選んだのである。それがカペー朝の始祖、ユーグ・カペー。

物語は彼の曾孫、フィリップの時代、1066年フランス王家の配下であるノルマンディ公ウィリアムがイングランド王になった時より始まる。このとき若干14才であった。

しかしながら聡明な彼は自らの使命を理解していた。フランス王といっても名目的なもので直轄の領土は、パリ及びオルレアンの2つのみであり、諸侯が大きな力を持っている。王の力を増し、これは直轄の領土を増やすという意味だが、諸侯を圧する力を持つことである。


 


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